NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2024年6月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。
●6月号のフリー記事・前十字靭帯損傷・再建後の再受傷予防とパフォーマンス向上・学期制に基づいて女子学生アスリートのスプリントスピードを向上させるためのストレングスおよびプライオメトリックトレーニングを開発する実践的方策・セーフティスクワットバーベル・スクワットのテクニックとバイオメカニクス主導のプログラム作成
今回はその中から、「前十字靭帯損傷・再建後の再受傷予防とパフォーマンス向上」をご紹介します。
前十字靭帯(Anterior cruciate ligament:ACL)損傷は、代表的なスポーツ外傷のひとつです。バスケットボールやサッカー、スキーなどに多いジャンプの着地や急な方向転換、急停止時に発生する非接触型と、膝に他者の身体がのしかかるなどして起こる接触型があります。
断裂したACL は治癒せず、徐々に退縮するため、関節の安定性が受傷前の状態や非受傷側と同じ程度にまで自然に回復することは見込めません。ACL損傷を放置すると変形性膝関節症になるリスクが4~6倍高まるため、スポーツ復帰に向けて自身の腱を用いた再建術が第一選択となります。
再建術後は、膝をしっかり伸ばすことができなかったり、不安や恐怖から動きを制限してしまったりします。また、左右の筋力差も生じやすくなります。 よって、復帰を希望するスポーツで求められる動きを考慮し、パフォーマンス不足や再受傷の要因となりうる機能不全やアライメント不良を改善するために、段階的にトレーニングをしていきます。
また、そういった身体的な改善と同時に、心理面の支援も大切になってきます。
受傷したアスリートをサポートする各専門職が互いの専門領域を尊重し合い、アスリートファーストで連携する姿勢が求められます。
競技復帰のために実施すべきエクササイズの写真もご覧いただけますので、ご興味ある方は、ぜひ本文を読んでみてください。
●フリー記事1:前十字靭帯損傷・再建後の再受傷予防とパフォーマンス向上
●フリー記事2:学期制に基づいて女子学生アスリートのスプリントスピードを向上させるためのストレングスおよびプライオメトリックトレーニングを開発する実践的方策
●フリー記事3:セーフティスクワットバーベル・スクワットのテクニックとバイオメカニクス主導のプログラム作成
・第9回グローバルカンファレンスを含むインド視察レポート
・カッティング動作の分解:前十字靭帯損傷リスク低減のためのエビデンスに基づく指導の枠組み
・下肢間の非対称性にトレーニング介入がもたらす効果:システマティックレビューとメタアナリシス
・緊急事態対応者の負荷運搬
・がん治療中にウエイトリフティングに安全に復帰するための自主的調節の利用
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