• スポーツ・健康
  • クライアントの目標を安全に達成するために、信頼できるパーソナルトレーナーの選び方とは

    新年度を迎えて、何か新しいことを始めたくなる季節です。これから薄着になっていくことからトレーニングへの関心も高まるでしょう。そうしたなかで、コロナ禍に着目されたパーソナルトレーニングの利用が増えています。そこで今回は、適切な教育を受けた信頼できるパーソナルトレーナーと出会うためのポイントをご紹介しましょう。

    公式の教育システムや資格のない
    パーソナルトレーナー

    トレーニングを行いたいという動機は人それぞれでしょう。「減量」であったり、「筋肉隆々の身体になりたい」であったり、あるいは「生活習慣病の予防や改善のため」や「スポーツ傷害の予防や改善」「競技におけるコンデショニングの向上」など、これらの目的を早く達成したいとマンツーマンあるいは2〜3人でのパーソナルトレーニングを利用する人が増えています。それはインターネットなどで一般の人も容易に情報が得られるようになったことで、より専門的な助言とフィットネス専門職によるトレーニングが求められるようになったということです。

    NSCA(National Strength and Conditioning Association)では、パーソナルトレーナーとは「クライアント個人の健康と体力を向上させるという最重要目標のために、クライアントに合った個別のアプローチでトレーニングをサポートする健康と体力の専門家」としています。しかし、カイロプラクティックケアや理学療法、アスレティックトレーニングなど他のヘルスケアのように、専門的な教育を受けることや、資格や免許を所持することを課すことを制度化していません。ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職を監視するための国家試験や制度はないのです。極論を言えば、誰でも今日から「パーソナルトレーナーです」と名乗ってしまえるのが現状です。

    クライアント視点からの
    パーソナルトレーナーのチェックポイント

    十分な専門的知識や経験を備えていないパーソナルトレーナーの指導を受けたことにより、目標の達成が難しくなるばかりでなく、最悪の場合、ケガなどにつながる可能性もあります。パーソナルトレーナーを依頼する前に、十分に情報収集することが重要なのです。

    そこで下記に適切なパーソナルトレーナーを選ぶためのチェックポイントをまとめました。これらはパーソナルトレーナーを求めているクライアントの視点から挙げているものなので、パーソナルトレーナーにとってもクライアントが何を自分に期待しているのかを知るのに役立つでしょう。

    【チェックポイント①】適切に教育され、資格認定を受けているか

    パーソナルトレーナーになるための公式な教育システムはないと先述しましたが、だからといって全てのパーソナルトレーナーが正式に教育されていないということではありません。中には、運動科学や人体生理学、栄養学といった領域の学位を取得している人もいますが、パーソナルトレーナーを探す場合には、NSCAのような健康と体力を推進する公認団体から発行される資格を有しているかどうかを確認しましょう。

    【チェックポイント②】適切な経験を持っているか

    どの世界にもベテランと新人の両方がいるのは当たり前ですが、パーソナルトレーナーには、少なくともジムやフィットネスクラブなどで最低でも3年間の経験を持つパーソナルトレーナーを探しましょう。さらにトレーニングの目的が減量ならば、同じ目標のクライアントを指導した経験があるのかも一つの基準とするべきです。

    あわせて栄養に関する知識を持っているかも大切な基準です。望ましい食物について、摂取するタイミングやカロリー消費などについての情報も提供されることが大切です。必要に応じて管理栄養士を紹介できるトレーナーが望ましいでしょう。

    【チェックポイント③】クライアントと相性が良いか

    設定した目標を達成するためには、まずクライアント自身が信頼でき、一緒に過ごして居心地が良いと感じられる、さらにはクライアントの目標をしっかりシェアしてサポートしてくれるパーソナルトレーナーを選ぶことが重要です。

    【チェックポイント④】実は「外見」も重要

    パーソナルトレーナーにとって適切な栄養と良い食事習慣は、健康的な生活を送るための一部です。クライアントがパーソナルトレーナーから正しいエクササイズや栄養を指導してもらおうという時に、パーソナルトレーナー自身がそれを実践しているようには見えない「外見」なら、専門職として信頼するのは難しいでしょう。

    【チェックポイント⑤】必ず面接する

    パーソナルトレーナーは、候補に選ばれたらまずクライアントの過去または現在の健康状態・既往歴のほか、日常的な運動習慣の有無について知ろうとします。

    この機会は、クライアントがパーソナルトレーナー候補についてもよく知るチャンスです。彼らの資格や経験、専門性などを確認しましょう。可能であれば、そのパーソナルトレーナー候補が実際に指導しているところも見学させてもらえると良いでしょう。

    【チェックポイント⑥】目標設定を適切にサポートできるか

    目標達成のためには、クライアント自身が目標を適切に設定することが大切ですが、パーソナルトレーナーは、クライアントが目標設定する際に重要なポイントを示すなどして、それを手助けする役割を担います。

    〈適切な目標を計画するためのポイント〉

    • 達成したい目標が何か(体重の減量、筋肉の増加など)
    • 経過で得られたものをどう計測するか
    • 十分なモチベーションがあるか
    • 妥当な目標か
    • 目標とするタイムラインをどうするか
    【チェックポイント⑦】トレーニングをカスタマイズできるか

    パーソナルトレーナーは、クライアントの既往歴の他に、筋力や柔軟性、バランス、持久力などを正しく計測した上でプログラムをカスタマイズできなければなりません。またトレーニングのセッション中にも、クライアントの様子から判断して柔軟に修正できる必要があります。

    フィットネスの一時的な流行に執着したり、一つのフィットネス器具に依存したり、また一度計画したプログラムに固執するパーソナルトレーナーには注意が必要です。

    【チェックポイント⑧】信頼できる紹介者か

    パーソナルトレーナー探しの最良の情報源は、実際にパーソナルトレーナーを利用している家族や友人など信頼できる人たちからの紹介です。減量に成功したりスポーツでパフォーマンスを向上させたりした人たちから具体的なトレーニング情報を得られることは有益です。

    最も注意したいのは、PRのためのキャンペーンを安易に受け入れないことです。特に「夏に向けての減量に」といった短期的な目標を掲げたキャンペーンでは、一時的に増加するクライアントのため十分な教育と経験を積んでいないトレーナーが対応する可能性があります。

    信頼できるパーソナルトレーナーを選ぶのに、これほどの労力を要するのかと考える人も少なくないでしょう。しかし、最も重要なことは、自身の健康的な生活を維持し、効率的にそして安全に成果を上げることです。十分な専門的知見を備えて、クライアントの生活に良い変化をもたらすパーソナルトレーナーを見つけるヒントとしてください。

    参考文献

    NSCAジャパンウェブジャーナルPTQ 2019年号p.33-37
    パーソナルトレーナーの見つけ方と選び方のガイドークライアントの観点から

    関連の記事

    • スポーツ・健康

    運動会で速く走るには?まずは「腕」の役割について考える。

    • スポーツ・健康

    ピリオダイゼーションにおけるテーパリングの効果

    • おうちエクササイズ
    • スポーツ・健康

    かんたん、おうちエクササイズ!
    「フロントスクワット」

    • スポーツ・健康

    危険な暑熱下でのレース。有効な熱中症対策は早めの「暑熱順化」

    • スポーツ・健康

    ピリオダイゼーション(期分け)ってご存知ですか?

    • スポーツ・健康

    部活引退後からブランクのある新入生アスリートには 「50/30/20/10ルール」

    • キャリアトーク

    【キャリアトーク】多様なフィールドで活動するキャリアを目指して 古里緑さん

    • NSCAメンバーコラム

    日本バレーボール学会大会にて研究発表(ポスター発表)、「優秀賞」に選出されました。

    • キャリアトーク

    【キャリアトーク】S&Cコーチを目指す方へ、キャリアづくりのアドバイス 臼井智洋さん

    • NSCAの活動

    6月16日NSCAジャパン第24回総会およびS&Cフォーラム2024開催!

    • NSCAの活動
    • S&Cジャーナル

    今月のS&Cジャーナル4月号「野外教育を応用したアスリートの育成」ほかフリー記事3本

    • S&Cジャーナル

    今月のS&Cジャーナル5月号「テニスのサーブ速度の向上」ほかフリー記事2本

    アーカイブ