• スポーツ・健康
  • スポーツ現場での食中毒予防

    食中毒は、食品を介して体内に有害な細菌やウイルスが侵入することで発生する病気です。主な原因として、細菌(サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌など)やウイルス(ノロウイルスなど)、寄生虫、化学物質などがあります。

    症状としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが一般的で、重症化すると脱水症状や命に関わることもあります。これらの症状は、運動能力に重大な影響を及ぼすため、アスリートにとって極めて重要な身体能力と回復を損なう可能性があります。

    日本で、集団食中毒の発生が特に多い月は、夏季の6月から9月にかけてです。特に7月と8月は食中毒の発生件数が最も多いと報告されています。

     食中毒の予防策

    食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、

      ▶ 細菌を食べ物に「付けない」
      ▶ 食べ物に付着した細菌を「増やさない」
      ▶ 食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」

    という3つのことが原則となります。家庭や飲食店での衛生管理を徹底し、食品の取り扱いや保存方法に注意することが求められます。

    (参考)
    厚生労働省ホームページ「食中毒」

    スポーツと食中毒

    スポーツ選手にとって食中毒は特に重大な問題です。競技会やトレーニングキャンプ中に食中毒が発生すると、パフォーマンスに大きな影響を与え、場合によっては試合やトレーニングを中止せざるを得なくなります。食中毒のリスクを低減するためには、以下の点に注意が必要です。

    1.食品の選定と管理

    選手が口にする食品は、新鮮で安全なものを選びます。調理済み食品や生鮮食品は、冷蔵保存し、消費期限内に食べるようにします。外食やデリバリーの際は、信頼できる店舗を選び、提供される食品の温度管理に注意します。

    2.調理と衛生管理

    調理器具や手指の清潔を保ちます。特に生肉や魚を扱った後は、しっかりと手を洗い、器具を消毒します。調理環境を清潔に保つことが重要です。ウイルスが調理場に持ち込まれないようにし、仮に持ち込まれたとしても広がらないようにします。

    3.トレーニングキャンプや遠征中の注意

    トレーニングキャンプや遠征中は、特に衛生管理に注意します。海外遠征の場合、現地の水や食材が原因で食中毒になるリスクが高まります。ボトルウォーターを使用し、屋台の食事などは避けることが推奨されます。また、チームドクターや栄養士が同行し、選手の健康管理を徹底します。

    事例と対策

    過去の事例では、国際大会や大規模なスポーツイベントで食中毒が発生し、多数の選手が影響を受けたケースがあります。提供される食事の安全性を確保するため、選手やその家族だけでなく、主催者側も衛生管理を徹底する必要があります。

    以下のガイドラインを参考にしてみてください。

    1.イベント・大会主催者のためのワンポイントアドバイス(運営体制づくり)
    スポーツ安全協会


    2.お弁当づくりによる食中毒を予防するために
    農林水産省

    まとめ

    スポーツ選手にとって食中毒は避けるべき重大なリスクです。日常の食事やトレーニングキャンプ、遠征時における食事の衛生管理を徹底することが、食中毒を防ぐための最善の策です。個々の選手やチーム全体で意識を高め、食中毒予防の基本を実践することが求められます。

    関連の記事

    • スポーツ・健康

    危険な暑熱下でのレース。有効な熱中症対策は早めの「暑熱順化」

    • スポーツ・健康

    フェンシングのためのトレーニングプログラム

    • おうちエクササイズ
    • スポーツ・健康

    かんたん、おうちエクササイズ 「プッシュアップ」

    • スポーツ・健康

    運動会で速く走るには?まずは「腕」の役割について考える。

    • スポーツ・健康

    部活引退後からブランクのある新入生アスリートには 「50/30/20/10ルール」

    • スポーツ・健康

    ハイキングをより楽しむためのトレーニングプログラム

    • スポーツ・健康

    野球選手の投球速度を向上させるためのトレーニング

    • スポーツ・健康

    子どもに筋トレはよくない?の迷信を説く

    • スポーツ・健康

    ピリオダイゼーションにおけるテーパリングの効果

    • スポーツ・健康

    高齢者のためのウェイトトレーニング

    • スポーツ・健康

    動画でトレーニング紹介「ベンチプレス」

    • スポーツ・健康

    トレーニングの歴史

    アーカイブ