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年齢を重ねるにつれて、「つまずきやすくなった」「バランスを崩しやすくなった」と感じることはありませんか? 高齢者にとって、転倒は骨折などの重大なケガにつながるだけでなく、その後の生活の質を大きく下げる要因となります。しかし、転倒の多くは適切な運動によって予防することが可能です。 特別なマシンを使った大がかりなトレーニングでなくても、身近な場所で安全に行える「片足トレーニング」を取り入れることで、歩行時等におけるつまずきから体勢を立て直す筋力を養うことができます。
歩行中につまずいてバランスを崩したとき、私たちは素早く片足を踏み出し、倒れそうになる身体を支えなければなりません。このとき、体を支える「支持肢」の踏ん張る力と、大きく素早く一歩を踏み出す「回復肢」の機能が非常に重要になります。 日常生活の中での「歩く」「走る」といった動作は、実は片足立ちの連続です。そのため、両足でのトレーニングに加えて片足でのバランストレーニングや筋力を鍛えることが、転倒防止に役立ちます。
片足トレーニングを行う際は、安全に配慮しながら段階的に難易度を上げられる以下のようなエクササイズがおすすめです。
・シングルレッグスタンス(SLS)& ヒップヒンジ まずは安定した状態で片足立ちを行い、バランスをとる感覚を養います。慣れてきたら、軸足の股関節と膝を軽く曲げながら、背筋を伸ばし反対側の足を後ろに引く「ヒップヒンジ」の動きを組み合わせます。これにより、歩行時のバランスを維持するために欠かせない股関節周りの筋肉が鍛えられます。
スタート姿勢

フィニッシュ姿勢

膝を伸ばしてトレーニングをするのがむずかしい場合は、膝を曲げて実施することも可能です。

・ステップフォワードランジ(SFL) つまずいた後に体勢を立て直す動作をシミュレーションできる優れたエクササイズです。最初は支え(バーや壁など)に手を添えた状態からスタートし、大きく一歩を踏み出して姿勢を安定させる練習を行います。慣れてきたら、スピードを意識したり、音や視覚の合図に反応して動いたりすることで、より実践的な「瞬時に反応する力」を高めることができます。
スタート姿勢

フィニッシュ姿勢

片足でのトレーニングを行う際は、安全のために以下の注意事項を守ることが大切です。
継続的なレジスタンストレーニングの組み合わせ:マシン等を活用した下半身全体(特に股関節や大腿四頭筋、下腿三頭筋など)の筋力強化を並行して行うことで、より転倒しにくい体づくりが可能になります。
転倒予防のトレーニングに「遅すぎる」ということはありません。トレーニングに不安がある方は、パーソナルトレーナーの指導のもと、自身の体力レベルに合わせたバランストレーニングや片足のトレーニングを根気よく積み重ねていくことで、いつまでも自分の足でしっかりと歩き続ける力を維持・向上させることができます。
今日からできる片足のトレーニングを取り入れて、転倒知らずの健やかな毎日を目指しましょう!
NSCA JAPAN(Strength and Conditioning Journal 翻訳記事), Volume 31, Number 6, pages 79–91