
脚の筋肉を鍛えるなら、とにかくスクワット。トレーニングを実践する人から人気の高いエクササイズではありますが、実は「どの筋肉が、どの程度筋肥大するのか」については、依然、論争が続いています。
結論から言うと、スクワットは大腿四頭筋群と大殿筋の筋肥大には効果的ですが、ハムストリングスやふくらはぎについては、スクワットだけでは十分な発達が見込めないことが示唆されています。
大腿四頭筋: 内側広筋・外側広筋・中間広筋は顕著に発達しますが、大腿直筋は広筋群に比べて筋肥大効果が低い傾向にあります。
大殿筋: スクワットで大きく動員されますが、その肥大効果は「スクワットの深さ」に大きく依存します。
ハムストリングス: 多くの研究で、バックスクワットによる筋肥大はほとんど起こらないことが示されています。これは、スクワット動作中にハムストリングスの筋活動が抑制されるためです。
本レビューでは、スクワット動作時のしゃがむ深さ(関節可動域:ROM)が及ぼす影響についても詳しく分析されています。
大腿四頭筋の筋肥大を狙うなら…
膝を90〜120°程度曲げる「ハーフ」から「パラレル」の深さが最適です。それ以上に深くしゃがみ込んでも、大腿四頭筋のさらなる肥大は期待できない可能性が高いとされています。
大殿筋の筋肥大を狙うなら…
「フルスクワット(深いスクワット)」が圧倒的に有利です。ハーフスクワットに比べ、フルスクワットの方が大殿筋の容積がより大きく増加したという研究結果が紹介されています。
筋肥大を目的とした下肢を作り上げるためには、スクワットだけに頼らず、目的の部位に応じて種目を組み合わせることが重要です。
種目の追加
ハムストリングスの筋肥大を目的とするなら「レッグカール」、ふくらはぎなら「カーフレイズ」などの単関節種目を必ずプログラムに加えましょう。
バリエーションの活用
スクワットにはハイバー、ローバー、フロント、スミス、ベルトスクワットなど多くの種類があります 。最近の研究では、種目を固定するよりもバリエーションを変化させる方が、筋肥大反応やモチベーションの維持に有効である可能性も示されています。

スクワットは優れたエクササイズですが、下肢全体の筋肥大を目的とした場合、各部位への特性を理解し、適切な深さでの動作と補助種目を選択することが重要になります。
より詳細なデータや研究背景については、ぜひNSCA JAPAN S&Cジャーナルのバックナンバー(Volume 30, Number 6)をチェックしてみてください!


