• S&Cジャーナル
  • 今月のS&Cジャーナル5月号「障害のある方へのスポーツ指導・関わり方」ほかフリー記事2本 

    Strength and Conditioning Journal Japan 2026年5月号表紙

    NSCAジャパン機関誌
    『Strength and Conditioning Journal Japan』
    2026年5月号発刊 

    NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2026年5月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。

    ●5月号のフリー記事
    ・障害のある方へのスポーツ指導・関わり方
    ・2028年ロサンゼルスオリンピックに向けたラクロス審判員が直面する身体能力の不確実性

    今回はその中から、「障害のある方へのスポーツ指導・関わり方」の記事を抜粋してご紹介します。 

    パラスポーツの現状

    「スポーツは、障害者をはじめとする全ての国民が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度その他の事由に応じ必要な配慮をしつつ、共生社会の実現に資することを旨として、推進されなければならない。」 

    2011年に制定されたスポーツ基本法には、上記のような記載があります。このような記載を踏まえ、現在、スポーツ庁では「スポーツによる人への投資(誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の実現)が社会にもたらす価値」に着目し、主要な課題を踏まえた重点対象や背景要因について議論されています。 

    少子高齢化が進み、医療費等の社会保障費が増大する中で、今後も我が国の社会・経済の活力を維持し、成長させていくためには、国民の心身の健康および体力の保持増進が土台となる極めて重要な要素です。また、社会の活性化・課題解決の寄与の観点からの「人への投資」として、国民全体のスポーツ振興を図り、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境を実現していくことが重要です。 

    スポーツ庁において、障害者の社会参加の推進は、スポーツによる人への投資が社会にもたらす主な価値のひとつとして位置付けられています。 

    これは、国民の健康増進による健康長寿社会・生涯現役社会の実現(国民のウェルビーイングの向上)、医療・介護費等の社会保障費の抑制、生産性の向上、労働力不足の軽減(企業等の人材不足の軽減)、子供・若者、単身世帯・単身高齢者の孤独・孤立解消、スポーツによる出会い・交流機会の創出に寄与すると考えられています。

    一方で、障害児・者のスポーツ実施率は上昇傾向にあるものの、健常者と比較して大幅に低い(図1)というデータがあります。また、運動・スポーツの実施のハードルとしては、「体力がない」「体調に不安がある」といった回答が4割程度を占めています(図2)。 

    図1 スポーツ実施率の推移
    図1. スポーツ実施率の推移

    図2 運動・スポーツを行いたいと思うができない者の理由
    図2. 障害者・児における運動・スポーツを行ないたいと思うができない理由

    S&C専門職は、医療従事者やスポーツ指導者などと連携し、このような社会問題にアプローチできる可能性があります。体力面や能力面に対する障害者自身のネガティブな捉え方、スポーツ施設側の受け入れ体制不足、指導者の知識不足などを含めた、障害者におけるスポーツ実施率の低さの要因への取り組み促進に寄与しうると考えられています。 

    スポーツを指導する際の心構え 

    スポーツ指導にあたっての重要な心構えとして、「指導者自身のマインドセットを意識すること」が挙げられます。ここで大切なことは、次の2点です。

    ・指導対象者がなりたいと思う姿に近づくために“サポート”すること
    ・指導対象者と一緒に活動し、指導者自身も“成長”するという意識を持つこと

    これらが揺らぐと、一方的な指導になってしまう可能性があります。また、指導者の思い通りにいかないとフラストレーションが溜まり、体罰やハラスメントに繋がる傾向があります。 

    将来への展望や課題 

    障害の特性は、種類や程度による個別性が大きく、画一的な指導には無理があります。したがって、個別最適化させた指導を考え、目標を設定し、コミュニケーションをとる工夫をしていくことが必要になります。 

    様々な工夫を行なうことにより、自身の指導やコミュニケーションを振り返る機会となり、指導の引き出しを増やす機会にもなりうるでしょう。 

    指導者は、障害のある方への指導を通じて様々なノウハウを得ることができます。例えば、競技力の高い方を指導していた指導者は、運動の苦手な方への指導や、子ども・高齢者への指導等、指導の対象や範囲(年齢や運動レベル等)の拡大も見込まれます。 

    障害のある方への指導を通じて、指導者自身の可能性を大きく拡げることにも繋がるでしょう。 

    ●フリー記事1:障害のある方へのスポーツ指導・関わり方 

    ●フリー記事2:2028年ロサンゼルスオリンピックに向けたラクロス審判員が直面する身体能力の不確実性 

    その他、5月号には以下の記事を掲載しています。 

    ・周産期ピリオダイゼーション: 初心者からエリートレベルのアスリートのための妊娠三半期別トレーニング

    ・車いすレースの生理学的要求とプロフィール:システマティックレビュー 

    ・残り反復回数法:特別な集団にストレングスエクササイズを処方する新たな方法 

    ・リバースノルディック

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