NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2024年4月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。
●4月号のフリー記事・野外教育を応用したアスリートの育成
・サッカーの体力テスト再考:現代版テストバッテリーの開発
・前十字靭帯再建術後に非対称性を有するアスリートのためのエクササイズ選択の最適化
今回はその中から、「野外教育を応用したアスリートの育成」をご紹介します。
「変わりゆくスポーツと科学シリーズ」は、日本女子体育大学の中丸先生に「野外教育」をテーマに執筆いただきました。野外教育は、登山やキャンプといった野外活動を用いた教育方法であり、スポーツの世界に応用することで、アスリートの心理的、社会的成長やチーム力向上が期待できます。現在ではチームビルディングという呼び名で企業活動にも広く取り入れられています。
野外教育は1943年にアメリカで提唱され、その後日本を含む世界中で発展し、多様な定義や解釈が提案されてきました。現在では日本オリンピック委員会(JOC)のアカデミーにおいても実施されており、チーム競技だけでなく個人競技に対しても利点のあるものと考えられています。
野外教育の中でも特に注目されているのが、Action Socialization Experience(ASE)という手法です。ASEは、メンバー同士が協力しながら課題を解決していくことで、社会性や決断力、挑戦意欲などを育成するプログラムです。目の前にある課題に対して、一人ひとりが考え、議論し、力を合わせて試行錯誤をする。その過程でグループがどのような道筋を辿ったのか。また、自分自身は何を感じ、考え、行動したのか。そこを見つめていく中で、互いの価値観の違いを理解し、相手を尊重しつつも、深い信頼関係を築くことにつながるのです。
本稿では、野外教育の歴史的背景と教育効果、さらに競技スポーツ現場での応用事例を紹介しました。ASEの導入事例を通じて、野外教育がアスリートの非認知能力の向上に寄与する可能性があることを示しました。野外教育は、ただの体験活動に留まらず、深い学びと成長を促す強力なツールであることが確認されています。
ご興味ある方は、ぜひ本文を読んでみてください。
●フリー記事1:野外教育を応用したアスリートの育成
●フリー記事2:サッカーの体力テスト再考:現代版テストバッテリーの開発
●フリー記事3:前十字靭帯再建術後に非対称性を有するアスリートのためのエクササイズ選択の最適化
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