• スポーツ・健康
  • 【ジュニア指導者必見】ウォームアップ・クールダウンの「本質」を再確認

    サッカーをする子どもたち

    ジュニアスポーツの現場では、ウォームアップやクールダウンの重要性は広く認識されています。しかし、指導者が「正しい」と思って伝えている内容が、最新の科学的根拠(エビデンス)と乖離しているケースも少なくありません。選手のパフォーマンス向上と傷害予防のために、改めてその目的と適切な方法を整理しましょう。 

    運動場でハイタッチをする父親と息子

    1. ウォームアップ:3つのステップで身体を準備させる

    ウォームアップの目的は、身体的・精神的な準備を整えることです。筋温や深部体温の上昇、血流の増加、結合組織の粘性の増加により、運動に必要な諸機能を高めます。効果を最大化するためには、以下の3段階の構成が推奨されます。 

    ① 一般的ウォームアップ(約10分)  

    内容: 低強度の有酸素運動(ジョギング、バイク、リズム体操など)。
    目的: 全身の心拍数、血流、筋温を高め、関節の可動性を向上させる。
    ポイント: 小学生などには「歩き鬼ごっこ」や「スキップ鬼ごっこ」など、遊びの要素を取り入れ、強度をコントロールすると効果的です。

    ② 専門的ウォームアップ  

    内容: 競技動作に類似した動的ドリル
    ポイント: 一般的にはダイナミック(動的)ストレッチングを中心とした構成が推奨されています。

    ③ 競技動作によるウォームアップ 

    内容: キャッチボール、パスゲーム、ラリーなど
    ポイント:実際の競技と同じ動きを行い、最終的な準備を完了させます。

    2. クールダウン:疲労軽減と回復を促す 

    クールダウンは、使用した部位の疲労軽減や回復を目的として行います。

    積極的リカバリー(Active Recovery)の有効性  

    高強度運動後に軽負荷のエクササイズを行うことは、安静やマッサージよりも血中乳酸濃度を有意に減少させることが明らかになっています。

    必須の要素  

    現在の知見では、「低強度の有酸素運動」と「ストレッチング」の組み合わせが不可欠とされています。
    なお、アイシングやアイスバスの傷害予防・筋肉痛(DOMS)軽減効果については、現時点では根拠が少ないとされています。

    3. 指導者が意識すべき「教育」の視点 

    現場では、練習時間を確保するためにクールダウンが軽視されがちです 。しかし、指導者は以下の点に留意し、選手を教育していく必要があります。 

    自主性の育成

    メイン練習の時間を削ってでもクールダウンの必要性を説明し、子どもたちが自主的に実践できるように教育すべきです。

    環境への適応

    試合会場のスペースが狭い場合でも、その場で行えるダイナミックストレッチングやリズム体操など、バリエーションを持った指導が求められます。

    動作習得の場

    ウォームアップは単なる準備だけでなく、適切な基本動作パターンや姿勢を習得する大切な機会でもあります。

    参考資料

    木村繁「ウォームアップ・クールダウンをおろそかにしてはいけない」
    NSCA JAPAN Volume 20, Number 3

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