
NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2026年1-2月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。
●1-2月号のフリー記事
・体育系大学におけるタクティカルアスリートとそのファシリテーター養成にむけて日本体育大学保健医療学部救急医療学科の取り組み
・女性チームスポーツ選手における大腿四頭筋に対するハムストリングスの筋力比:システマティックレビュー
今回はその中から、「女性チームスポーツ選手における大腿四頭筋に対するハムストリングスの筋力比:システマティックレビュー」をご紹介します。
明けましておめでとうございます。本サイトでは、ストレングス&コンディショニングに関する情報を中心に、引き続き皆さまにわかりやすくお届けしていければと思いますので、本年もよろしくお願いいたします。
女性チームスポーツ選手は、カッティング、ジャンプ、着地、およびスプリントの繰り返しによって、前十字靭帯(ACL)損傷やハムストリングス肉離れ(HSI)といった下肢の非接触性傷害を生じやすいとされています。
特に女性アスリートは、男性アスリートに比べてACL損傷の発生率が4~6倍に上ります。女性アスリートに対するトレーニングの推奨事項は、男性アスリートのデータに基づいていることが多く、女性に固有のリスク因子によっては適切でない場合があります。

大腿四頭筋に対するハムストリングスのトルク(H:Q)比は、膝関節周囲の拮抗筋における筋力のアンバランスを評価する下半身の筋力変数であり、ACL損傷のリスク因子と考えられています。
このH:Q比のうち、ハムストリングスと大腿四頭筋の短縮性筋活動におけるピークトルクの比については、0.6以上というカットオフ値が基準値となり、筋におけるアンバランスのモニタリングと傷害リスクの特定に広く用いられるようになっています。
ただ、これは主に男性アスリートを対象とした研究結果から得られている数値です。女性アスリートにおけるACL損傷のリスクは高いにもかかわらず、女性チームスポーツ選手におけるH:Q比の基準値は確立されていないといわれています。
そこでこの記事では、過去の研究データを用いて、女性チームスポーツ選手におけるH:Q比を検証し、これまで用いられてきたH:Q比のカットオフ値と比較しています。また、ハムストリングスの伸張性筋活動と大腿四頭筋の短縮性筋活動のピークトルクの比というもうひとつの指標とともに、従来のカットオフ値の違いが示されています。
女性に多いとされるACL損傷の予防に対して取り組む上でも、ぜひ一度記事をお読みいただければと思います。
●フリー記事1:体育系大学におけるタクティカルアスリートとそのファシリテーター養成にむけて日本体育大学保健医療学部救急医療学科の取り組み
●フリー記事2:女性チームスポーツ選手における大腿四頭筋に対するハムストリングスの筋力比:システマティックレビュー
その他、1-2月号には以下の記事を掲載しています。
・日本プロサッカーリーグにおける試合中のランニングパフォーマンスと湿球黒球温度(WBGT)との関係
・消防士の睡眠衛生:ナラティブレビュー
・競技レベルの野球選手における傷害予防とトレ-ニング効果の転移を最大化することを目的とした近位キネティックチェーンの筋力とコーディネーションの概念
・疼痛時のトレーニング:筋骨格系疼痛を有する人に対するエクササイズの利点と応用に関するレビュー
・3分間全力運動テストの高強度インターバルトレーニング処方への応用:10年間の研究成果に関するナラティブレビュー
・全地球測位システム(GPS)デバイスを用いたフィールドチームスポーツ選手における最大速度の測定:ナラティブレビュー
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