NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2025年6月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。
●6月号のフリー記事
・国立スポーツ科学センターにおけるメディカルサポート
・エリートレベルの車いすバスケットボールにおける身体特性と競技の要求
・人工知能とチャットボットが生成した個別化されたフィットネスプログラムの有効性に関する簡潔なレビュー
今回はその中から、「国立スポーツ科学センターにおけるメディカルサポート」をご紹介します。
2001年に開所した国立スポーツ科学センター(JISS)は、日本における国際競技力向上を目的に、スポーツ医・科学分野からサポートを行なう機関として設置されました。この記事では、JISSが行なっているメディカルサポートの現状と課題、さらには展望について紹介されています。
JISSのメディカルサポートはクリニック部門とコンディショニング部門で構成されているスポーツ医学研究部門が担っています。そのうちクリニック部門では、メディカルチェックと外来診療を中心に行なわれており、コンディショニング部門では、アスリートがより効果的なパフォーマンス発揮するためのトレーニングや栄養、心理などのコンディショニングサポートが実施されています。スポーツ診療施設として、一般的な診療機能のみでなく、栄養や心理、トレーニングを含めたコンディショニング部門も含まれているのがJISSの特徴といえます。
JISSにおけるメディカルチェックは、内科、整形外科、歯科の3つの診療科を主として実施されています。メディカルチェックを受診する選手は、事前の問診票のweb入力と、当日に既定の臨床検査や各種計測、評価を行ない、各診療科での診察結果を基に、臨床的なリストが作成されるとのことです。
コンディショニングには、TCSP(Total Conditioning Support Program)、CCSP(Combined Conditioning Support Program)の2つのサポートプログラムがあります。そのうちTCSPは、リハビリテーションが含まれます。外傷・障害や疾病が原因で一旦パフォーマンスレベルが低下した状態からの回復過程において、栄養、心理、トレーニングなどのサポートが加わることで、競技(練習)復帰までの期間の短縮化を図ったり、復帰時により良好なパフォーマンスレベルへの向上を得ることを目的としたサポートプログラムとのことです。TCSPを経て、無事にオリンピックやパラリンピックの出場資格を獲得したり、メダルを獲得したりした選手もいるようで、今後のサポートプログラムのさらなる充実が期待されています。
記事では各メディカルチェックや外来診療の詳細、オリンピック/パラリンピックでの村外サポート拠点での取り組みなども紹介されています。日本におけるアスリート支援の中心であるJISSのメディカルサポートの取り組みについて知る良い機会になると思いますので、ぜひ本文もご一読いただければと思います。
●フリー記事1:国立スポーツ科学センターにおけるメディカルサポート
●フリー記事2:エリートレベルの車いすバスケットボールにおける身体特性と競技の要求
●フリー記事3:人工知能とチャットボットが生成した個別化されたフィットネスプログラムの有効性に関する簡潔なレビュー
その他、6月号には以下の記事を掲載しています。
・テニスのサーブトレーニングと試合の負荷から生じる不適応を最小限に抑える
・思春期の女子バスケットボール選手におけるニーズ分析とトレーニングの留意点
・総合格闘技選手のための年間トレーニングプログラムの開発
・スピードクライミングのためのストレングス&コンディショニングの留意点
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