昨年に引き続き、スポルテック2024にて「健康で活力ある日本の未来のために」~時代を切り拓く運動指導者のヒューマンスキルと専門性~と題した運動指導者団体連絡協議会のシンポジウムに参加してまいりました。
NSCAジャパンからは、合原勝之氏にご登壇いただき、【「リアルな指導」が優位になる3つの要素】をご講演いただきました。
3つの要素とは「人間性」「コミュニケーション」「知識量」を指し、
「人間性」についてはアイスバーグ理論をご紹介いただき表面に見える部分と深く隠れて見えない部分があり、水面下に隠れている部分を大きくすることで表面に見える部分の安定性を高くすることができるとのお話でした。
「コミュニケーション」については、人には大きく分けて「人柄タイプ」「結果タイプ」「直感タイプ」の3つの価値観に分類されるとされ、具体例を示し、聴講者にもご自身の傾向を確認いただくよう問いかけ、聴講者にも参加いただく形でお伝えいただきました。この価値観は無意識に「話し方」や「書き方」などの伝え方に現れる癖でもあり、これらそれぞれのタイプに応じた対応(やり取り)ができることが大切とのことでした。自分の価値観と合うタイプとの対応しかできなければ他の2つのタイプの顧客を逃す可能性もあるというお話でした。
3つめの「知識量」は、先に示された2つの要素が揃うことで相手に伝えることができるものであることを前提として自ら増やしていく活動をすることを提案されておられました。知識量を増やすための行動として次の5つの事を提案されました。
1.本を読む 2.旅に出る 3.人に会う 4.学びへの投資 5.徹底した量の学び
まとめとして「一人では何もできないことを知り」今回集っているそれぞれの団体の特徴を知り、協力し合い、自らができないことは他の専門家に委ねるネットワークを築き上げることも大切であり、自らの能力を引き上げるためにも自らが行動しなければならないこと、自らの能力は自動的に上がるものではないことを伝えておられました。
それぞれのパネリストの講演後のシンポジウムでは、人々の運動習慣が続くことが大切であり、各団体それぞれの専門職として連携することの大切さを伝えておられました。またここに集っていない他の専門職(ドクターや理学療法士、アスレティックトレーナー、治療関係など)とも共通言語を持って連携するためにも学びが必要であること、しかしながら専門職同士のやり取りとクライアントに対して伝えるために使う言語や表現が異なることも知らなければならないこと、そのために聞き方、伝え方であるコミュニケーションを学び続けていかなければならないことの大切さを伝えておられました。
テーマにもあるように専門職は、資格を取得することで知識が裏付けられるだけでなく、それを活かすためにいかに人間性とコミュニケーション能力が重要であるかを知ること。また繋がりを広げ適切にクライアントを導くことができる一員になれることを改めて確認することができた時間となりました。