• S&Cジャーナル
  • 今月のS&Cジャーナル10月号「子どもの体力・運動能力の発達とトレーニング」ほかフリー記事3本 

    NSCAジャパン機関誌
    『Strength and Conditioning Journal Japan』
    2025年10月号発刊 

    NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2025年10月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。

    ●10月号のフリー記事
    ・子どもの体力・運動能力の発達とトレーニング
    ・車いすテニス選手のトレーニング:ストレングス&コンディショニングのアプローチ
    ・最大力発揮能力にサイキングアップが及ぼす影響:システマティックレビュー

    今回はその中から、「子どもの体力・運動能力の発達とトレーニング」をご紹介します。 

    子どもの体力・運動能力の変遷

    この記事では、日本の子どもにおける体力・運動能力の時代変化を踏まえ、今の状況について言及されています。

    子どもの体力・運動能力の時代変化については、学校教育の一環で実施されている新体力テストの結果からみることができます。1964年の開始当初から測定されている小学5年生時の握力、50m走、反復横跳び、ソフトボール投げの変遷については、男女とも特徴的な4つの時代に分類されることが報告されています。 

    このような体力・運動能力の変遷や高低は、体格や身体成熟のほか、運動経験や運動の量に依存し、日常的な身体活動量とも密接に関連しているとされています。なかでも子どもがその大半の時間を過ごす学校における学習活動の影響を受けるとして、特に学習指導要領の変遷と関連づけて捉えることができます。

    また、子どもたちが暮らす社会環境の様々な変化が、運動経験や運動の量に影響を与えていることも考えられます。過去10年においてインターネットやデジタル機器の普及に伴うスクリーンタイムの増加が日常的な不活動化や体力低下を引き起こしています。

    他方で、子どもの運動・スポーツ系の習いごと加入率、特に2種目以上の加入者が増加傾向にあることも報告されており、子どもの運動経験が、自由に行なう運動遊びなどから習いごとのような組織スポーツ活動に移行してきていることがうかがえます。

    しかしこれらの習いごとには費用がかかることから、家庭の経済状況によって子どもの運動経験や体力・運動能力の差が生じており、平均値の変遷からでは捉えきれない二極化の問題が指摘されています。目の前の子どもたちはすでに、日常生活をおくるなかで自然と活動量を確保したり、豊かな運動経験を通じて体力・運動能力を獲得したりしていくことが難しい社会で暮らしているということを認識する重要性について言及されています。

    記事では、子どもの発育発達に応じた運動・トレーニングのあり方や個人内の発達変化に様々な形で影響を及ぼす生物学的成熟について紹介されています。子どもの体力・運動能力について現状を知り、どう指導していくのか、その参考にぜひご一読ください。

    ●フリー記事1:子どもの体力・運動能力の発達とトレーニング

    ●フリー記事2:車いすテニス選手のトレーニング:ストレングス&コンディショニングのアプローチ 

    ●フリー記事3:最大力発揮能力にサイキングアップが及ぼす影響:システマティックレビュー

    その他、10月号には以下の記事を掲載しています。

    ・ストレングス&コンディショニングとリハビリテーションにおける機械的負荷の連続体とその応用
    ・空手の形競技における実践者および競技者の生理学的応答:スコーピングレビュー
    ・エリートレベルの男女サッカー選手における試合後の回復を至適化するための実践的指針:レビュー
    ・オーバーリーチングに関連する垂直跳びの運動力学的および運動学的側面:システマティックレビュー

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