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  • 今月のS&Cジャーナル3月号「レジスタンストレーニングの異なる強度が筋肥大に及ぼす効果―ナラティブレビュー」ほかフリー記事3本

    NSCAジャパン機関誌
    『Strength and Conditioning Journal Japan』
    2025年3月号発刊

    NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2025年3月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。

    ●3月号のフリー記事

    ・高校におけるストレングス&コンディショニングを通じたインテリジェントアスリートの育成
    ・レジスタンストレーニングの異なる強度が筋肥大に及ぼす効果―ナラティブレビュー
    ・座談会:世界各地のスポーツ科学の状況

    今回はその中から、「レジスタンストレーニングの異なる強度が筋肥大に及ぼす効果―ナラティブレビュー」をご紹介します。

    強度の低いレジスタンストレーニングでも筋肥大は可能か

    レジスタンストレーニングでは、抵抗に逆らって運動することにより、筋肥大といわれる生理学的適応が生じることで、筋の作業能力を高め、除脂肪量の増加がもたらされます。こういった筋肥大の効果を得るには、従来、高強度のエクササイズを実施することが必要とされてきました。ただその場合、レジスタンストレーニングの経験のない高齢者や、整形外科的な障害を抱える人、あるいはトレーニング負荷が高いことで不満を覚えた経験のある人は、満足な筋肥大効果が得られないことが考えられます。そこでこの記事では、高強度だけでなく、様々な強度のトレーニングが筋肥大にどういった効果をもたらすか、研究論文を調査し、比較検証しています。

    記事では、レジスタンストレーニング経験のない若者、経験のある若者に対する様々なトレーニング強度を用いた筋肥大効果を検証した研究が紹介されています。トレーニング経験のない若者に対しては、トレーニングの量を考慮することで、低負荷、高負荷かかわらず同程度の筋肥大が起こる可能性が示されています。またトレーニング経験のある若者の場合、例えばトレーニング経験が2年ある男性を対象に、20~30回(30~50%1RM)を3セット行なうグループと、8~12回(75~90%1RM)を3セット行なうグループに分け、週4回のトレーニングを12週間実施したところ、両グループは同じ程度の除脂肪体重の増加を示しました。また高齢者を対象とした場合においても、強度が80%1RM以上と60%1RM以下のプログラムを比較した場合、多くの研究において筋肥大の効果に差がないことが示されています。

    この記事で検証された研究においては、トレーニング経験の有無に関係なく、疲労困憊で挙上できなくなる程度までエクササイズを行なうことを前提とした場合には、強度による差はなく短期的な筋肥大が起こりうることが示されています。この結果は、高負荷のトレーニングに抵抗を示す可能性のある、子どもや女性、高齢者、あるいは身体的な制限のある人などにとって有益な情報といえるでしょう。ただ、この分野の研究は今も進められており、今後はより安全で継続可能な、実践的なプログラムモデルを構築するための検証が待たれます。

    なお、この記事では最後に、高負荷と低負荷を用いる違いとして、筋力増大という観点では、高負荷を用いることが有効であることが示されています。自身や指導するクライアントの対象あるいはトレーニング目的に合わせて、この記事の内容を参考にしてみるとよいかもしれませんね。

    ●フリー記事1:
    高校におけるストレングス&コンディショニングを通じたインテリジェントアスリートの育成

    ●フリー記事2:
    レジスタンストレーニングの異なる強度が筋肥大に及ぼす効果―ナラティブレビュー

    ●フリー記事3:
    座談会:世界各地のスポーツ科学の状況

    その他、3月号には以下の記事を掲載しています。

    ・骨盤の挙上動作を意識した片脚エクササイズのトレーニング効果―大学男子サッカー選手を対象として―
    ・跳躍力に対する骨格筋量と神経系機能の貢献度の検討~成長期ユースアスリートを対象として~
    ・運動能力の育成とスキルの獲得を融合する:生態動力学アプローチによるアジリティの育成
    ・全米大学運動選手協会(NAIA)女子バスケットボール選手のための「マイクロドージング」によるプログラム作成を用いたシーズン中のトレーニングモデル
    ・グッドモーニング:エクササイズテクニックとエクササイズ選択の原則

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