• S&Cジャーナル
  • 今月のS&Cジャーナル12月号「ハイパフォーマンスサポートの極限について」ほかフリー記事2本

    NSCAジャパン機関誌
    『Strength and Conditioning Journal Japan』
    2024年12月号発刊

    NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2024年12月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。

    ●12月号のフリー記事
    ・大学男子長距離部門選手を対象とした乳酸菌、アミノ酸およびホエイタンパク含有ゼリー飲料の体感調査Ⅰ
    ・ハイパフォーマンスサポートの極限について

    今回はその中から、「ハイパフォーマンスサポートの極限について」をご紹介します。

    トップレベルのスポーツパフォーマンスをサポートする際に考慮すべきこと

    トップレベルのアスリートやチームをサポートする方策には、エビデンス、学際性(専門分野の相互作用)、テクノロジー、革新を促す環境などの分野を超えた相互作用によって、適切に漸進していくことが求められます。
    そのようなトップレベルのアスリートやチームをサポートする際には、アスリートのモニタリングデータを利用していくこととなりますが、この記事においては、アスリートのパフォーマンスの制限因子(PLFs)を考えることを推奨しています。PLFsは現状のパフォーマンスに間接的な影響を及ぼす特性と考えられています。

    例えば、アメリカンフットボールのワイドレシーバーの加速局面を延長する(最終的にはスプリントスピードを向上させる)には、まず(特に自重に対する)最大筋力を増加させることが必要になる可能性があります。ここではこの最大筋力がPLFsと考えられます。また、PLFsはパフォーマンスにネガティブな影響を及ぼす可能性をもつ特徴として働きます。これは言い換えると、測定可能な身体特性を向上させれば、それによってパフォーマンスが制限される可能性が低下することを意味します。例えば、バスケットボールのポイントガードによるYo-Yo間欠性リカバリーテスト1のスコアが高いほど、ゲーム後半でフリースローを決める能力を損なう可能性が低下します。これは高い有酸素性能力は、疲労に伴うスキル実施の低下を間接的に低減していることを指し、PLFsとパフォーマンス成果の間に非直線的で動的な関係が存在する可能性を示しています。

    このようにPLFsは、重要なパフォーマンス指標(ハイパフォーマンスに直接影響する、またはそれを説明する測定可能な値:KPIs)やパフォーマンスそのものとはかけ離れた階層でもありえますが、実用的な問題解決と、情報に基づく育成計画を可能にするものです。
    したがって、PLFsとKPIsを同時にモニタリングすることが最良だと記事では述べられています。本文では傷害に関連したPLFsの考えや、KPIsについても説明されているので、ご興味ある方はぜひ本文を読んでみてください。

    ●フリー記事1:大学男子長距離部門選手を対象とした乳酸菌、アミノ酸およびホエイタンパク含有ゼリー飲料の体感調査Ⅰ

    ●フリー記事2:
    ハイパフォーマンスサポートの極限について

    その他、12月号には以下の記事を掲載しています。

    ・時間節約トレーニングvs時間効率化トレーニングの用語、方法および処方
    ・スポーツ科学における情報伝達の基礎構築と意思決定への利用
    ・現場の指導者が推進するストレングス&コンディショニングコーチの専門能力の評価
    ・ストレングス&コンディショニングのコーチングにおける女性の地位と経験の向上を目指す社会学的ツール
    ・戦闘員のためのヒューマンパフォーマンスの最適化(HPO)—複雑な時代こそシンプルに:ナラティブレビュー
    ・血流制限を伴う反復スプリントトレーニング:反復スプリント能力を向上させる新たな方法か?

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