• S&Cジャーナル
  • 今月のS&Cジャーナル3月号「エリートレベルの女性チームスポーツ選手における月経周期のフェーズに応じたストレングス&コンディショニングトレーニング」ほかフリー記事2本 

    Strength and Conditioning Journal Japan 2026年3月号の表紙

    NSCAジャパン機関誌
    『Strength and Conditioning Journal Japan』
    2026年3月号発刊 

    NSCAジャパン機関誌『Strength and Conditioning Journal Japan』2026年3月号を発刊しました。NSCAジャパン会員のみ読むことができる機関誌ですが、毎号数本はどなたでも読めるフリー記事をご用意しています。

    ●3月号のフリー記事
    ・野球とソフトボールにおける高度な方向転換テストの導入:曲線能力テスト
    ・エリートレベルの女性チームスポーツ選手における月経周期のフェーズに応じたストレングス&コンディショニングトレーニング

    今回はその中から、「エリートレベルの女性チームスポーツ選手における月経周期のフェーズに応じたストレングス&コンディショニングトレーニング」をご紹介します。 

    女性チームスポーツ選手における月経周期に応じたトレーニング 

    スポーツ科学の分野では、これまで多くのトレーニング理論が「男性の生理学」に基づいて構築されてきました。しかし、女性アスリートがその潜在能力を最大限に発揮し、怪我のリスクを低減するためには、女性特有の生理学的特性、すなわち「月経周期(MC)」を考慮したアプローチが不可欠です。

    本記事では、エリートレベルの女性チームスポーツ選手を対象に、MCの各フェーズに応じたS&Cモデルを提案しています。

    女性の月経周期は、月経期、卵胞期中~後期、黄体期初~中期、月経前期の4フェーズに整理され、それぞれでエストロゲンおよびプロゲステロン濃度が変動します。エストロゲンはmTOR経路を介して筋タンパク質合成を促進する一方、黄体期に高まるプロゲステロンは異化作用や炎症反応に関与する可能性があります。

    したがって、従来型の線形ピリオダイゼーションを機械的に適用すると、高負荷トレーニングが疲労や炎症の高まりやすい時期と重なるリスクがあります。 

    先行研究では、卵胞期にトレーニング頻度や負荷を高め、黄体期に相対的に抑える「月経周期ベーストレーニング(MCBT)」が、筋力や筋横断面積の向上に有利である可能性が示唆されています。ただし、チームスポーツ現場で頻度を個別に操作することは現実的でない場合も多く、記事の中では頻度ではなくトレーニング変数(量・強度・目的)をフェーズに応じて調整する実践的アプローチを提示しています。

    またアスリートが経験する総合的な負荷を、ガソリンタンクの残量に見立てる一般的な手法を応用し、既知のMC関連における生理学と併せて、個別のMC特性(出血期間、MCの長さ、症状、および主観的な健康状態の反応)を追跡することが紹介されています。

    記事ではMCのフェーズ別における留意点と個別的な調整案が紹介されており、これにより、多職種スタッフが基本的なガソリン残量(エネルギーレベル)を考慮してトレーニングやリハビリテーションプログラムを構成できるようになります。 

    図2 アスリートの能力をガソリンタンクに見立てた留意点の例

    記事では、対象集団やデータの取り扱いなどのその他の留意点や、具体的なケースを用いたプログラム例なども紹介されています。女性アスリートに対するトレーニングプログラム構築に際し、ぜひ本文もご一読ください。

    ●フリー記事1:野球とソフトボールにおける高度な方向転換テストの導入:曲線能力テスト

    ●フリー記事2:エリートレベルの女性チームスポーツ選手における月経周期のフェーズに応じたストレングス&コンディショニングトレーニング

    その他、3月号には以下の記事を掲載しています。

    ・大学男子野球投手における投球前後の軸脚、踏込脚の片脚立ち三段跳びの変化 

    ・プロサッカー選手における11対11のゲーム形式トレーニングのピッチサイズの違いが高強度活動に与える影響 

    ・スポーツにおける伸張性エクササイズの理論的根拠と応用:現場への実践的提案 

    ・リバウンドジャンプと速いストレッチ-ショートニングサイクルのメカニズムに関するナラティブレビュー 

    ・正確なトレーニング記録を残すことの重要性に関するスターターステップ 

    ・ランドマインローテーション

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